Q 会社を設立して3年になりますが、税務調査を受けたことがないのですが、概要を教えてください。
A 一般的に、利益を出している会社は3~5年に一度調査があります。会社設立から3年ですと、調査があることが予想されます。赤字会社が調査がないのかと言えばそうではありません。法人税の調査は年間に14万件ほど行われていますが、そのうち30%ほどは赤字申告会社です。赤字会社でも調査の結果、黒字に転じた割合は15%くらいあるのです。
・税務調査の事前連絡
調査に際しては税務署から事前に「税務調査を行ないたい」という連絡があります。税理士が関与している場合は、税理士に最初に連絡が入ります。そこでお客様と税務署との日程調整をおこなって調査日を決定します。 税務署の発表では、法人税の調査の事前通知は約9割、所得税は約8割で実施されています。
事前の連絡なしに突然調査官が訪れることもあります。飲食店、小売店など日々現金を扱う業種や、パート・アルバイト派遣など雇用形態がさまざまで社員数の多い会社などは可能性があります。
突然税務署がやってきた場合、落ち着いてまずは税理士にご連絡を!
・税務調査の日数は何日くらいですか
売上10億円以下であれば、通常は2日程度です。実地調査は2日程度で終わりますが、すぐに結論が出ない場合もあります。調査官が上司に報告し、銀行調査や取引先への照会が行われることもあり、確認に時間を取られるからです。そしてポイントが絞られると、色々な説明や折衝などを行なって結論をつめていきます。
・税務調査の対象期
対象期は一般的には3期です。
・税務調査の対象となる会社
①急成長している会社 ②その業界の異常値が出ている会社 ③設備投資を積極的にしている会社 ④消費税が還付された会社 ⑤欠損金の繰り戻し還付をした会社 ⑥特別な大きい損失を計上している(退職金、売却損、貸倒損失 等) これらの会社は税務調査が入る可能性が高いです。
・税務調査の進め方
調査の初日には会社の概要について代表者への聞きとり質問があります。聞かれたことだけ簡潔に答えるようにしましょう。何気ない会話の中にも必要な情報のチェックをしていますので、しゃべりすぎに注意です。
初日は税務署の調査官も緊張していますので、出来るだけ好意的に接するようにしましょう。
税務調査は申告された内容が事実に基づいているかどうか、税法の規定に則っているのかどうかという観点で行なわれます。会計帳簿を中心に取引について証憑書類となる契約書や見積書、会議の議事録、稟議書、業務処理簿、社内規定などあらゆる書類を確認していきます。必要な書類はすぐに出せるよう、日頃からの整理整頓を行っておきましょう。