Q 母は居住していた家を離れて老人ホームに入所しましたので、実家は空家になっています。万が一母がこのまま実家に戻ることなく亡くなった場合は、実家の土地は居住していた宅地として相続税の小規模宅地の特例の対象となるのでしょうか。
A お住まいの実家を離れて老人ホームへ入居したような場合には一般的にはそれに伴い生活の拠点も移転したものと考えられます。しかし身体上又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため自宅を離れて老人ホームに入所したものの、自宅での生活を望んでいるためいつでも居住できるよう自宅の維持管理がなされているケースがあり、諸事情を勘案すれば病気治療のため入院した場合と同様に考えられるケースもあります。
そこで次に掲げる状況が客観的に認めれれる場合は、相続開始直前において実家の敷地がお母さんの居住のように供されているものとして差し支えないと考えられます。
1.身体又は精神上の理由により介護を受ける必要があるため老人ホームに入所することとなったものと認められること
2.お母さんがいつでも生活できるようその建物の維持管理が行われていること
3.入所後その建物を他の者の居住の用その他の用に供していた事実がないこと
4.その老人ホームがお母さんが入所するために本人又はその親族によって所有権が取得され、あるいは終身利用権が取得されたものでないこと